
2024.06.29. 公正経済 — 山林庁と全国の地方自治体が山火事監視用CCTVを1446台設置・運用しているが、このうち半数近い44.6%(645台)には自動回転機能がないことが分かった。このため、最近3年間に発生した山火事1684件のうちCCTVによる発見はわずか0.4%の6件にとどまった。山火事拡散予測システムの活用や情報共有も不十分だった。
監査院は最近、このような内容の「土砂災害・山火事等森林災害対策実態」監査報告書を公表した。
報告書によると、山林庁は「山火事無人監視カメラ施設及び事後管理指針」を運用する中で、2004年には自動回転機能付きのCCTVを購入するよう定めていたが、2011年からは自動回転機能がないCCTVも購入できるように変更した。
監査院が2023年11月時点で設置されたCCTV 1446台の仕様と運用実態を確認した結果、801台のみが自動回転機能を備えており、残りの645台には同機能がなかったことが分かった。
また、自動回転機能付きCCTVが設置された地方自治体など146カ所のうち、36カ所を除く110カ所では、撮影方向を一定の時間間隔で変更していなかったり、手動で変更して固定していたりするなど、CCTVの自動回転機能を活用していなかった。
CCTV専任監視要員の確保もおろそかだった。山林庁は毎年、山火事専門予防鎮火隊や山火事監視員などの山火事防止要員をCCTV専任監視要員として活用する内容の「山火事防止分野事業計画書」を作成して自治体などに配布するだけで、実際に自治体などがCCTV専任監視要員を配置・運用しているかどうかも把握していなかった。
監査院が自治体など224か所のCCTV監視要員の運用実態を確認した結果、84か所(38%)は山火事専門予防鎮火隊や山火事監視員などの山火事防止要員をCCTV専任監視要員として活用せず、公務員が他の業務と並行してCCTVを監視していた。
残りの140か所(62%)は山火事防止要員などを状況室に配置しているが、各種業務の補助を並行して行わせており、実質的にCCTV専任監視要員を配置・運用しているとは言い難い状況だった。
その結果、2021年1月1日から2023年12月8日までに発生した山火事計1684件のうち、CCTVの確認によって最初の通報が行われたケースはわずか6件にとどまった。
「山火事拡散予測システム」の活用と共有も不十分だった。
山林庁は2007年に山火事の拡散経路を予測するシステムを構築したにもかかわらず、その情報を地方自治体と共有していなかった。監査の結果、地方自治体にシステムへのアクセス権限そのものを付与していなかったことが原因だった。
また、過去3年間に被害面積10ヘクタール以上の大規模山火事68件のうち、16件はシステムを稼働させていなかった。
市民が納めた税金でシステムを構築したにもかかわらず、これを適切に運用していなかったことが明らかになった。
これに対し、監査院は山林庁長官に対し、地方山林庁および自治体が自動回転機能付きの山火事無人監視カメラを設置・活用するよう方策を策定し、山火事防止人員を専任監視人員として活用するよう指導・監督するよう通知した。
また、山火事拡散予測システムの運用マニュアルを整備し、地方自治体に情報を共有できるよう改善策を講じるよう求めた。

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