
2024.06.04. 公正経済 — 「若無湖南 是無国家」。もし湖南がなければ国家もないという意味で、忠武公イ・スンシン提督が1593年、司憲府持平の玄徳升(ヒョン・ドクスン)に送った書簡にある文句として知られている。文禄の役当時、湖南地域である全羅道の戦略的価値がそれほど重要だったという意味に解釈される。
今日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と政府が推進するデジタルプラットフォーム政府(DPG)政策では、カカオトークの「国民的メッセンジャー」という価値が非常に重要に評価されているのではないかと思う。多様なDPGサービスを提供する公共機関が互いに談合でもしたのか、どこもこぞってカカオトークのみを通じて市民にサービスを提供しているからだ。
しかし、カカオトークはこれまで障害が何度も発生し、市民が大きく多くの不便を経験してきた。また、国内のメッセージ・メッセンジャー市場で非常に高い占有率を示すなど、独占的な地位を持っている。
それならば、こうした問題を解決するためには、カカオトークを運営するカカオに無停止・無障害運営を行うよう追加的な義務を課すか、カカオトークに代わり得るソリューションを発掘して代案とする方法を考えてみることができるだろう。
実際、政府はカカオに対してあれこれ要求しているようだ。
例えば、科学技術情報通信部は最近、カカオトークのサービス障害を3回起こしたカカオに対し、先月改善要求を行った。通信災害管理審議委員会を開き、カカオの不備事項に対する改善措置要求事項を審議・議決したのだ。カカオに対し、主要作業前の事前テスト体系の高度化、作業管理統制の強化、障害発生対応マニュアルの補完などの改善措置計画を1カ月以内に提出し、3カ月以内に改善結果を提出するよう求めたという内容だ。
しかし、カカオトークに障害が発生した際の代案については、特に動きがないように見える。もしかすると、従来の移動通信ベースのSMS、MMSメッセージサービスを代案として考えているのではないだろうか。一方向の情報伝達手段であるメッセージサービスではDPGの実現は容易ではなく、メッセージ送信料金が相対的に高いため、市民の税金が無駄になる可能性もある。すべての代案が作動しない国家的災害において緊急事態情報を伝達する用途であればまだ分かるが、通信会社のメッセージサービスを代案としているのが事実であれば、あまりに安易な計画だろう。
これに対し、情報通信技術(ICT)業界では、「政府24」という公共アプリをカカオトークの代案にしようという意見が出ている。
政府が行政サービスポータルである「政府24」をモバイル環境でも利用できるように作ったアプリだが、ダウンロード数が1000万回に達するほど利用者が多い。このアプリにカカオトークと同様のメッセンジャー機能を追加し、端末を通じてメッセージ受信を知らせられるようにしようというものだ。そうなれば、DPGサービスを提供する公共機関が通信会社のメッセージサービスやカカオトークのメッセージを利用しなくても済み、その分これらのサービス利用料金を節約できるようになる。
また、DPGサービスの利用者である市民が、カカオトーク、通信会社のメッセージ、政府24などの中からどのプラットフォームを通じてサービスの提供を受けるかを選択できるようにしようという意見もある。挙げたプラットフォーム以外にも、ネイバートークトーク、LINE、Facebookメッセンジャー、Telegramなど多様な選択肢があるだろう。こうした構想が実現すれば、消費者の選択権強化に寄与でき、メッセンジャー市場の競争促進効果も生むだろう。
さらに、カカオトークに障害が発生した場合、政府24アプリを通じて中断のないサービス提供ができるという話も出ている。これは、カカオトークに障害が起きた際にカカオトークの復旧をただ受動的に待つのではなく、他のメッセンジャープラットフォームを通じてDPGサービスを無停止で提供する積極的な行政ができるという意味だと解釈される。
こうしたものがさらに発展・高度化すれば、プラットフォーム依存から自由な統合サービスが登場するとの見方もある。
政府がDPGサービス提供のために「韓国限定No.1メッセンジャー」であるカカオトークにぶら下がっている現状を克服する方策の用意を期待したい。

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