
2024.06.18. 公正経済 — 情報技術(IT)サービスソリューション企業のトマトシステムが、米国のデジタルヘルスケア市場に本格進出する。
トマトシステムは18日、「AI遠隔医療事業の現状および展望発表」をテーマに記者懇談会を開き、子会社である米国現地法人サイバーエムディケア(CyberMDCare)を通じた米国内の遠隔医療事業の推進計画を明らかにした。
トマトシステムは今年5月、米国内でのデジタルヘルスケア事業拡大とサイバーエムディケアの主導的な事業推進のため、同社の株式51%を取得し、子会社に編入した。
サイバーエムディケアは、米国で65歳以上を対象とするメディケアおよび低所得層向けのメディケイドの保険加入者を対象に、オンライン診療と遠隔診療サービスを提供している。
遠隔診療サービスである遠隔患者モニタリング(Remote Patient Monitoring、RPM)は、血圧、血糖値、体重、酸素飽和度などを測定する機器を患者に提供し、これらの機器が患者の健康状態をモニタリングすることが特徴だ。
これらの機器は生体データを測定した後、スマートフォンアプリを通じて医師に結果をリアルタイムで伝達し、医師は収集された患者の生体データに基づいて、より速く正確に診断と処方を行うことができる。
トマトシステムは懇談会で、サイバーエムディケアの米国内事業拡大計画について具体的に言及した。
米国の遠隔医療市場でオールインワンのデジタルヘルスケアサービスを提供するため、さまざまなソリューションと連携することが計画の核心だ。
具体的には、▲オーダーメード型食事管理ソリューション「ジェダ」、▲AIベースのユーザー向けカスタマイズ型フィットネス「ティオンケア」、▲がん患者のための情報プラットフォーム「アムオッケー」などとの協業を進め、サービスの高度化に着手する計画だ。
特に、来る7月からは診療時間外に急患専用の緊急医療センター(Smart Urgent Care Center)も運営する予定だ。このセンターを利用すれば、不必要な医療費支出を減らし、患者の健康状態を先制的かつ迅速にチェックして処方できると期待されている。
他社と比べて競争力を持つサイバーエムディケアのビジネスモデルについての説明も続いた。
競合他社より低コストでサービスを提供することで、保険会社の医療費支出を減らし、医療機関の収益を増やすサービスを提供するというものだ。
サイバーエムディケアは、自社サービスを利用すれば、医療団体や医師が他社に比べて患者1人当たり年間600ドル(約9万円)のコストを節約できるとみている。
例えば、米国で救急車を1回利用すると基本料金だけで1000ドル(約15万円)前後のコストが発生するが、RPMサービスを利用すれば緊急事態かどうかを事前に判断し、不必要な医療費支出を防ぐことができるという。

現地保険会社との協業実績についても公開した。
国内ヘルスケア企業として初めて、米国の保険会社であるチャンピオン・ヘルスプランとサービス契約および業務協約を締結し、今後も持続的な事業関係を続けていくことを強調した。
チャンピオン・ヘルスプランは、カリフォルニアを中心に事業を展開しているメディケア・アドバンテージ保険加入者向けの保険会社だ。サイバーエムディケアとは、今後共同営業およびサービスの共同開発を進めていく計画だ。
トマトシステムとサイバーエムディケアは、RPMサービス利用者数を10万人と推定し、これらの顧客を通じて得られる年間収益が1000万ドル(約15億円)に達すると見込んだ。
デビッド・カン(David Kang)サイバーエムディケア代表は、「メディケア・アドバンテージやFQHC営業など、カリフォルニア以外のさまざまな地域に営業を拡大し、来年から本格的な市場シェアの確保に乗り出す計画だ」と述べ、「現地の大型流通網への入店を通じて、血圧計、血糖計、体重計、酸素飽和度測定器などRPMサービス対応の医療機器のオンライン販売を行い、新規アプリユーザーの流入にも力を入れる予定だ」と語った。
李相敦(イ・サンドン)トマトシステム代表は、「米国の医療体系は予防中心的な側面が重視されている。そのため、患者の健康状態を常時確認するヘルスケアソリューションが普及、拡散するのに適している。一方、韓国は治療中心の医療体系がよく整っているが、疾病予防のための制度的支援をより強化する必要がある。国内でRPMサービスが広がり、市民の命と健康を守ることができるよう、メディアにも大きな関心を持ってほしい」と述べた。
ただ、トマトシステムとサイバーエムディケアが提示した事業計画には、確認すべき点も見受けられる。
まず、他社より安価に普及させるためにRPM機器の性能や機能を調整した部分だ。高価格な他社のRPM機器は、血圧、血糖値、体重、酸素飽和度をRPMシステムに単独で送信できるよう、機器に移動通信モジュールを内蔵している。
一方、トマトシステムによると、サイバーエムディケアが普及させるRPM機器は価格競争力を確保するため、移動通信モジュールを除外し、代わりにブルートゥース通信を利用する。そうなると、これらの機器は遠隔地のシステムと直接通信することはできず、機器とブルートゥースで接続されたユーザーのスマートフォンを通じて生体データをRPMシステムに送信することになる。
しかし、ユーザーのスマートフォンが故障、不具合、紛失などの理由で正常に作動しない状況では、これらのRPM機器はシステムにデータを送信できなくなる。
機器が単独でシステムと通信できる部品を除外して製品価格を下げたものの、緊急時にはこれらの機器がシステムに生体データを送れない「ダウン」状態に陥る可能性があるということだ。
サムスン電子、Apple、Xiaomiなど世界的に普及している他社のヘルスケア機器との連携可否も不確かだ。他社の機器を連携して利用することが不可能な場合、すでにスマート体重計を持っているユーザーは、サイバーエムディケアのRPMサービスを利用するために専用の体重計を別途購入しなければならない。

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